Summer Workshop by #rhizomatiksresearch に参加しました(2日目編)

後編です。

 

2日目

前の記事にも書いたように、朝行ったら真鍋さんがスポーツ用のレギンスみたいなの着てて「あぁアーティストもアスリートなんだな」って思ってたらモーキャプ用のスーツでなるほどでした。ということで2日目はモーキャプの解説からスタート。

モーキャプ


Avatar: Motion Capture Mirrors Emotions - YouTube

CG系の映画・ゲームなどはモーキャプで人の動きをとってより人っぽいグラフィクスを生成している。よくテレビで映画の宣伝するときに見る映像だけど、こういうふうにすぐ撮影できるような環境が制作会社にあるとか、目の動きもキャプチャしてるとか初耳でした。

データ形式はbvhというやつ(メモにdvhって書いてあるんですけどbvhですよね?)で、Unity3D, motion builderの環境内だと扱いやすい。逆にoFとかp5とかキツめらしい…なんとなくリンク置いときます。

github.com

 

作品の制御の仕方(?)

今回参加者に支給されたライゾマのパソコンの中にMaxとAbletonLiveが入っていて、どっちも名前は聞いたことある、MaxはおすすめされたしAbletonは先週LiT!キャンプでメンターが「AbletonLiveはMaxで制御できるし曲作るならおすすめ」って言ってたので興味あったのですがやっと存在意義を理解。

Ableton(エイブルトン)はタイムラインでイベントを管理できるソフト。もちろん曲も作れるけどMaxを繋いで時間軸で動きを制御できる。Perfume"Spring of Life"の衣装のLED制御、"1mm"の背景パネルのLED照明制御はこれかぁって納得。


Perfume NEW ALBUM 「LEVEL3」 (Teaser) - YouTube

AbletonLive→Max→oF→各デバイスみたいな流れになってる(?)Maxを間に入れることでoFを実行してる間でもしきい値を変えることができたり、oF落とさずに編集できる。

2日目午前中にMaxをすこし触ってみる講座。音を出す。

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テキストで書かなくていいから楽っちゃ楽なんだけど「この値はこのままぶっこめないのか…!」とかとにかく慣れなくて、Max誰か誕生日にくださいの思い。

その後presetの学習をして、お昼。(お昼がどこに入ったか若干曖昧)

 

演出のしかた byMIKIKO先生

午後からMIKIKO先生が講師に加わられて徐々に制作にシフト。

2日目は与えられた1:29の楽曲に対してLED照明とレーザー、ロボットアームで一個の作品を作るというもの。この曲がすごい好きで、ええわぁ…!とか思ってたらもともと好きなライゾマ黒滝さんの曲で、新曲やん超好きだわぁぁと一人興奮しておりました。

まずMIKIKO先生の指導のもと、課題曲をまっさらな状態で聞く。心に浮かんだイメージを紙に記していく。悩んだらここに帰ってくることで事態が解決することが多いそう。

その次に、何回か聞きながらそのイメージに合う機材をピックアップしていく。いろいろ学んだけどその中から抽出するのは難しくて、最近のelevenplayといったらFLY(ドローン)のイメージが強くて抜けられずウーンだった。この時点では曲に硬さ、真っ直ぐさを感じたので以下の機材を選んだ。汚いですが私のメモを置いておきます。

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ちょっとずつつかめてきたところで演出の構成に入っていく。ダンスでは有名な1エイトという数え方。私が行ってるバレエでも1から8までで数えてるけど、何エイト目の〜とか言わないからちょっと慣れない。で、1エイトずつわかるように書き並べていって、曲の変わり目で区切り線を入れる。音の種類、リズムなどで区切っていって、それができたら各セクションごとに気になる音やリズムをわかるように書き込んでいく。その次に各セクションで使いたい機材などを書き込む。(この辺順番が曖昧なので参加者の方間違ってたら教えて下さい)見たほうが早いのでメモ見てください。

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その後3日目の予行的な感じで、ロボットアームをダンサーとしてLED照明とレーザーを使って一個の作品を制作する。それぞれ何やりたいか希望を取られて(私はLED希望)、LEDの人とレーザーの人でペアになって、MIKIKO先生がアームを動かすことに。アーム使うのは免許いるから資格持ってる人にやってもらわなきゃいけない(前記事)と聞いてたから自分でやりたいなぁ〜ってLEDに手を上げたのですがアームもやりたかったなって今更になって思うなど。

コントロールはライゾマさんが用意してくださったMaxのパッチから。プリセットにLEDならLEDの色を格納できるように、レーザーは色と動きを格納できるようにしてもらって、おのおののパソコンからEthernet(?)で繋いで制御。どんな色にしたらいいかな〜って考えて、だんだんMaxも弄りたくなってきてランダムに選択できるようにしたりなんだりした。薄暗い白を出せなかったから「出したいんですけど…」ってお願いするとすぐ実装してくださるのですごくありがたかったです。ありがたいしすごい…こういうふうになりたい…

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ひと通り打ち終わったあと通しリハしてみて、ちょっと修正してから本番。スモーク焚いて軌跡がみえると一段とレーザー綺麗でした。

ほんとは動画貼りたいんですけど今自分たちのペアのが手元にないんで写真で勘弁して下さい。

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すごい難しかった。明るくするとレーザー見えにくいし、暗くするとアーム見難いし、明るいのだけだとメリハリがないし、暗くしすぎてもメリハリがないし、転換させすぎると見て疲れる感じだし。

全員の作品を発表したあと講評をもらったのですが、すごくハッとさせられたので太字で書いときます。

演出は引き算で、目立たせたいところ決めてあとは引く

たしかにelevenplayの作品見てても、ドローンとアームと映像とトラッキングを同時に使ってないし、だからこそ一目見て何か一つに引きつけられるのだろうなぁと思った。

好きなところをモリモリにするんじゃなくて、一個に絞った上であとは引く。機材が豊富だからついなんでもやりたくなっちゃうけど、だからこそ一個を引き立てる。すごい難しかった。

 

その後、明日に向けた準備方法を受ける。とにかくサーベイして、技術やパフォーマンスにどんな歴史があってどんな作品があるかを知る。それをすることで参考になるし、もちろん参考にするだけじゃなくて「まだ世の中にない作品を作ること」が最高とのこと。

matome.naver.jp

engineer.typemag.jp

ライゾマさんも作品を作るときはいっぱい事例を調べて、トーンマナーを決めるそうです。共同で作品を作るときはとくに、担当するパートが分かれて各々が作るときに意思が固まるように。

デザインの役割からみる「トーン」と「マナー」 | ラボ | 株式会社コンセント

トンマナ(トーン&マナー)とは - 意味 | IT用語辞典 サバナビ

真鍋さんが今某案件でつかっている、共同制作者とトーンマナーを揃えるために使ってる共有サイト(用途が絞られたtumblrっぽい感じ printerest)を見ました。大きい作品になればなるほど一人では作れないから必要なんだろうな。

 

初日よりは制作時間があって文字の量少ないですが3500字超えたのでここで区切ります。それにしてもMIKIKO先生がオペするアームの優美さよ…!次の日ちょっと触らせて頂きましたが全然あんな風にはできなかった。表拍以外のリズムを取るのが案外むずかしい。センスを磨きたいと心底思いました。